水素点滴は、生理食塩水の中に圧縮した水素を入れたものを
点滴を通して体の中に入れるという治療です。
紫外線やタバコなどの影響で、人間の体の中には
活性酸素が発生します。
活性酸素には善玉と悪玉があります。
善玉は免疫を活性化するなどのいい効果がありますが、
悪玉は細胞を傷つけたり、正常な細胞分裂を邪魔する
といった働きをします。
水素は地球上でもっとも小さな元素で、活性酸素と
結びつく性質があり無毒化してくれます。
結びつくのは悪玉の活性酸素だけなので、
善玉の活性酸素は体に残り安心です。
水素点滴は最近話題になっているので、新しい治療法だと
多くの人が思っています。けれども、実際に医療の現場で
使われたのは1920年です。
イギリスの内科医が取り入れたのは、インフルエンザの
患者さんに対してです。
当時、インフルエンザは致死率が80%を超える
大変恐ろしい病気として知られていました。
多くの患者さんがこの病気によって命を落としていたのですが、
インフルエンザにかかった人に対して水素点滴を行うと
致死率が48%まで下がりました。
このことから、少しずつ医療の現場に水素が活用されるようになりました。
アメリカでも1960年代にはがん治療の一環として
水素点滴が行われるようになり、副作用が少ないけれども
効果のある方法だと判明しました。
これらは、水素が悪玉活性酸素と結びつき無毒化したことで
得られる作用です。
その当時は水素の詳しい働きについて知ることは
難しかったかもしれませんが、患者さんが実際に
回復している姿からいい働きをしていることが分かりました。
現代では、水素点滴は病気に対してはもちろん、
疲労回復や予防的な側面から使用されるようになりました。
体内の悪玉活性酸素を除去することで、若々しい姿で
いられることからアンチエイジングなどの美容目的の女性もいます。
点滴すると、水素は長期間体内に存在し続けるので
一時的ではない効果が見込めます。