空気よりも軽い気体?水素が発見されたのはいつ?

研究
水素が発見されたのは1766年のことです。
イギリスの科学者ヘンリー・キャベンディッシュが
金属片と強酸を反応させて気体の水素を取り出しました。

キャベンディッシュはこの気体が空気よりずっと軽く、
激しく燃えやすいという性質を持つことも発見しました。

その後フランスの科学者アントワーヌ・ラヴォアジエが、
水を生み出すものという意味でhydorogeneと名前をつけ、
日本でも水を生み出すものという意味にならって
水素と名付けられました。

水素原子は陽子1個と電子1個で構成される最も単純な元素です。
宇宙で最初につくられた元素であり、現在でも宇宙で最も
豊富に分布する元素です。

単純な構成であるだけに、他の元素とも結合しやすいため、水素単体だけでなく
様々な物質との化合物の形でも存在しています。

水は酸素と化合したものですし、植物や動物の体の組織をつくる有機物としても
広く分布しています。

私たちの生活を支えている重要な元素の一つです。
さらに、現在では他の元素と化合しやすいという性質を活用して、
社会の様々な面で利用されています。

発見

特に注目されているのは燃料としての利用です。
燃焼しやすくエネルギー効率が高い上に、燃焼した後も排出されるのは水だけで、
二酸化炭素を排出しないという点から、地球温暖化対策を担う脱炭素燃料の
一つとして注目されています。

一方で課題もあります。

燃料の水素を取り出すために化石燃料が使用されていることから、
今後は二酸化炭素を増加させないために水の電気分解を利用するなどの工夫が
求められています。

もう一つの課題は保管と移動に関することです。

空気よりずっと軽いため少しの隙間からも漏れてしまいますし、
燃えやすく、他の元素と化合しやすいため金属容器での保管が難しく、
大量の水素を長期間安定して保管したり、移動させたりするための
方法が研究されています。

これらの課題はあるにしても水素はこれからの社会においては
さらに利用が進められると考えられます。